野良猫

道路脇で見かけた
片手のひらに収まるそれは
震える小さな命

爪を手の皮膚に食い込ませて
必死に立っているそれは
生まれて間もない命

骨と皮だけの身で
なーなーとか細く鳴くそれは
必死に生きようとする命

拾い上げるのは簡単
でも 助け続けるのは容易くない

責任のないやつは手を出すな
そう人は言う

それでも
目も開いていないこの命
一瞬でもいい 守れればいい

後日見かけた親子猫
いつぞやの君 今日も生きている

(2010.03.15)

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