夏、花火

蚊の鳴く声に
日差しの暑さに
夏の始まりを感じる

帯締めの苦しさに
かき氷の冷たさに
夏の最中を思う

火薬の匂いに
消えゆくさみしさに
夏の終わりを予感する

夏は華やかで明るい季節
でも どこかで切なさをはらませている
それは一体誰の心か

火花が消える瞬間
ぼんやりと明るかった景色が暗闇に変わる
それだけで
どうしてこんなにも
どうして、こんなにも

……季節はめぐる
あわただしく過ごすうちに
めぐりめぐってまた出会う

そうしてまた
私の胸は切なさに波打つのだ

(2006.08.29)

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